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ミントウェーブのLinux開発20年―シンクライアントから受託開発まで支えてきた技術の歩みと挑戦

 組込製品の設計・開発 

公開日:2026.7.21 最終更新日:2026.7.21

ミントウェーブのLinux開発20年―シンクライアントから受託開発まで支えてきた技術の歩みと挑戦

ミントウェーブ プロモーション担当 S.I. です。


当社は20年以上にわたりLinuxを活用したシステム・プラットフォーム開発に取り組み、お客様のニーズに応じてさまざまな機能追加や性能改善を行ってきました。

今回は、ミントウェーブが取り組んできたLinux開発の歴史と、その中で培ってきた技術についてご紹介します。

なぜLinux開発に取り組んだのか

2000年代前半、当社が取り扱うシンクライアント端末のOSはWindows系OS(Windows CE, Windows XP Embedded)が主流でした。

しかし、


  • Windows CE:描画性能、デバイス対応
  • Windows XP Embedded:ライセンスコスト、ハードウェア要件

といった面で課題が存在していました。


そこで当社は、柔軟性・拡張性・高いカスタマイズ性を備えたLinuxに着目しました。

Linuxは豊富なドライバ資産を活用できるだけでなく、用途に応じた最適化も行いやすく、お客様ごとの個別要件に応えるプラットフォームとして大きな可能性を持っていました。

こうした背景から、「軽量・高速でありながら柔軟に展開できるシンクライアント環境」の実現を目指し、Linuxベースのプラットフォーム開発がスタートしました。


UNIX時代から続く技術の系譜

当社のLinux開発のルーツは、さらに以前のUNIX技術にあります。


1977年にDEC社とOEM契約を締結し、UNIX OSを搭載したVAXの販売を開始しました。

さらに1982年には漢字CRTターミナル「KJ-100」の開発を行い、早くからUNIX環境に関する技術を蓄積してきました。


また、当社では高岳製作所の一部門であった1990年より、X Window端末「XMiNTシリーズ」の開発・販売を手掛けてきました。

XMiNTでは、ハードウェアからソフトウェアまで自社で設計・開発を行い、CPUにはMC68030、SPARC Lite、R3000を採用、BSD系の独自OSを搭載していました。


こうしたUNIX/X Window技術への長年の蓄積が、Linux開発における重要な基盤となりました。


Linux開発で直面した課題―Xサーバ改修による描画性能改善

Linux OSにおいて画面描画を担うXサーバは、もともと高い描画性能を持ち、CADなどのアプリケーションでも十分に利用できるレベルにありました。


しかし、シンクライアントとして利用する場合においては、描画が正しく行われないといった事象が確認されました。

また、接続に使用するクライアント(RDP)との組み合わせにおいても動作上の問題が発生していました。


こうした課題に対し、当社ではXサーバおよび関連部分についてソースレベルでの改修を実施し、描画性能を維持したまま、正確な描画と安定した動作を実現しました。


同一ハードウェアで、当社が開発したLinuxベースのプラットフォーム搭載時とWindows CE搭載時にてRDP接続した際の描画性能を比較したところ、Linuxベースプラットフォーム搭載時の方がベンチマーク値が大きく、描画性能が高いことを確認しております。


お客様とともに磨き上げたLinux技術

当社のLinux開発は、社内だけで完結したものではありません。

製造業や自治体をはじめとするさまざまなお客様にご利用いただく中で、多くの課題と向き合い、その解決を積み重ねてきました。


お客様の声を取り入れながら、


  • 操作インターフェイスの改良(ITリテラシーの低い方でも容易な操作を実現)
  • セキュリティ機能、認証機能
  • 周辺機器対応
  • リモート管理機能


などを継続的に強化してきました。


こうした経験は、単なる機能開発にとどまらず、Linuxプラットフォーム全体を磨き上げる原動力となっています。


Linux技術の活用領域

これまで培ってきたLinux開発技術は、シンクライアント製品だけに活用されてきたわけではありません。


当社では、お客様向けの受託開発にも取り組んでおり、


  • 電力会社向けUNIXシステム制御用端末の開発
  • ネットワークアプライアンス用Linuxシステム移植支援
  • 産業機器向け制御パネル端末の開発


など、さまざまな領域で活用されています。


当社の強みは、お客様の要求に応じてLinuxを設計・実装・最適化してご提供できることにあります。



さいごに

今回のコラム執筆にあたり、複数の開発者へヒアリングを行ったのですが、その中で、ある開発者の次の言葉が特に印象に残りました。


「当社の強みは、お客様のご要望やご意見に耳を傾け、不具合修正や機能追加を継続して行うことで蓄積してきた技術にある」


この言葉から、当社のLinux開発の本質は、お客様の声を取り込みながら継続的に改善を重ねる姿勢にあることをあらためて実感しています。


約20年以上にわたり培ってきたLinux開発技術は、シンクライアント製品だけでなく、お客様からのご要望に応じたさまざまな受託開発にも活用されています。今後も、その技術と経験を活かしながら、お客様の課題解決につながる開発に取り組んでまいります。



キーワード  組込Linux、シンクライアント、Linux、Unix、X Window System、Xサーバ、受託開発


この記事を書いた人


S.I.(ミントウェーブ プロモーション担当)

1999年高岳製作所(ミントウェーブの前身)に入社。

シンクライアント製品の検証、SE、営業を経て、現在はプロモーション担当として全製品の情報発信に携わっています。

SE、営業時代は、パートナー向けメルマガを約6年半にわたり担当し、製品情報や事例の紹介などを行ってきました。

最近は、生成AIを活用した「より分かりやすく素早い情報発信」にも取り組んでいます。